売れれば売れるほど価値が上がる!?「ネットワーク外部性」 ワクワク経営コラム【第59回】

皆さま、こんにちは!
ワクワク経営ナビゲーターの古屋早雪です。

昨日のコラムで、需要と供給の均衡についてのお話をしました。
これは、個々の取引が独立しており、他の事象に影響を与えないことが前提となっています。
ところが、この前提が成り立たない「例外」が存在します。

例えば、「電話」をイメージしてください。
電話は、最初に買った人は、誰とも「電話」することができませんから、この時点では価値はありません。
しかし、2人目に買った人は最初に買った人と電話することができますし、3人目となると電話できる相手が2人に増えます。
このようにして、電話を買う人が増えると、電話を買うメリットがどんどん大きくなるので、「電話」という商品の価値が上がっていくのです。
このように、利用者が増えるほどその価値が上がっていく現象を「ネットワーク外部性」といいます。

これに類似した現象は、今までに何度も起きています。
有名どころでは、ソニーのベータマックスと日本ビクターのVHSの「ビデオ戦争」です。
品質はベータマックスのほうが上回っていたと言われますが、利便性やソフトウェアの充実度からVHSの方が早く普及し、ビデオの標準的な規格としての地位を固めてしまいました。
これも、VHSがある程度のシェアを獲得した時点で、「利用者がVHSのほうが多い」ということから、ソフトウェアメーカーもユーザーもVHSを選択する動機が強くなり、さらに普及が進んだという経緯があります。
何故なら、ソフトウェアメーカーであればより普及しているプラットフォームで作成したほうが多くの人に売れますし、ユーザーも録画したビデオを人に渡す場合などは、普及しているプラットフォームのほうが便利ですからね。
このように、早くに普及が進んだことにより実質的に標準的な規格となったものを「デファクトスタンダード」と言います。
記録メディアの規格でも、DVD-RWやSDカードが、通信規格でもUSBがデファクトスタンダード戦争の勝者となりました。
パソコンのOSでもウィンドウズが、ゲーム機でもファミコンやプレイステーション、ニンテンドースイッチなどがほぼこれに近い地位を確立していますね。

近年では、コミュニティサービスやオンラインサロンなども同様ですね。
これらも、利用者が多いこと自体がそのコミュニティの価値を上げることになります。
つまり、ワクワクは多くの仲間とシェアした方がより高まると言えますね!

皆さまのビジネスや身の回りでも、このネットワーク外部性が働いているかどうか、考えてみましょう(^-^)

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