最悪の事態を回避しよう!「フェールセーフ」 ワクワク経営コラム【第61回】

皆さま、こんにちは!
ワクワク経営ナビゲーターの古屋早雪です。

冒険には危険がつきものです。
100%の安全というものはありません。
しかしながら、パーティーが全滅してしまえば、王様が復活してくれたりセーブデータがない限り、冒険は終了です。
ですから、最悪の事態というのはできるだけ避けるようにしたいですよね。

経営において最悪の事態のひとつは、「人の命が失われる」です。
自社の製品やサービスが原因で人の命が失われてしまうということは、何としても避けたいですし、避けなければいけないことです。
とはいっても、製品の不良が原因の事故というのもしばしば起こっています。
エレベーターの誤作動による死亡事故や、エアバッグの誤作動による自動車のリコールなどのニュースは記憶に新しいですよね。
人のミスや、仕組みの欠陥も100%は避けられないものです。
このような最悪の事態を防止するにはどうしたらよいのでしょうか?

1つは、ミスが起こらないよう十分なチェックをおこなうことです。
しかし、これもどんなにチェックを強化しても、100%安全とは言い切れません。

もう1つの考え方として、「不測の事態が起こった場合も、最悪の事態は起こらないように設計する」というものがあります。
これをフェールセーフと呼びます。
例えば、エレベーターなどはもし停電が起きたときに人が乗っている「かご」が落ちてしまったら、人の怪我や死につながる可能性があるので、必ず停電などでもかごが落ちないような構造になっています。
また、ドアに挟まれた時も安全装置が働いてドアは開きますよね。
これは、人がドアの閉まる力で押しつぶされたり、挟まったまま動いてしまわないよう「安全」を優先したつくりになっているからです。
安全を優先することで利便性は下がるかもしれませんが、最悪の事態が起こった場合は取り返しがつかないので、より安全が優先される「仕組み」になっているのです。

これは、コンピューターシステムなどでも同様です。
パスワードを何回か間違えるとロックがかかるというのはよくありますね。
面倒だなと思うかもしれませんが、これも悪意を持った他人にパスワードを破られないようにするための「安全」を優先した設計です。
また、システムの誤作動が起きた場合にも、データの消失や機械の暴走が起こらないような設計にするというのもフェールセーフの一種です。
とはいえ、どこまでの不測の事態を想定するかという問題もありますし、わずかな安全性の差であれば利便性が優先されることもありますので、ケースバイケースという側面もありますが、できるだけ取り返しのつかないリスクは避けたいですよね。
会社であれば、資金ショートによる突然死を避けるための日々の資金繰り応急手当の準備、ブラック企業という評判が広まることによって事業が継続できなくなることを避けるための働き方改革、災害に備えたBCPや事業継続力強化計画の策定などが安全対策のために有効な方法です。

最悪の事態を想定した安全な「仕組み」で、安心してワクワクする冒険に出かけましょう!

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