それ作るのにいくらかかったの?「原価計算」 ワクワク経営コラム【第108回】

皆さま、こんにちは!
ワクワク経営ナビゲーターの古屋早雪です。

冒険の世界では、武器や防具、薬品など、さまざまな道具が必要になりますよね。
これらは、お店で買ったり、宝箱から手に入れることもありますが、「材料から自分で作る」なんてこともあります。
最近はゲームでも、鍛冶や料理、錬金術などで、自分で生産ができる要素のあるものも多いです。
そんなとき、「お店で買った方が安いのか、自分で作った方が安いのか」は気になりますよね。
無論、作る楽しみなどもありますので、それだけではないですが、作るのにいくらかかるかは知っておいて損はありません。
そして、「作るのにかかった費用」は、材料費だけではありません。
人を雇って作ってもらうなら労務費がかかりますし、誰かに頼んで作ってもらうなら、外注加工費がかかります。
自分で作る場合は労務費はかかってないように思われがちですが、その時間を使って別の活動ができたことを考えると、やはり時間のコストはかかっています。
ましてや、材料から完成品を作るだけではなく、材料から「中間素材」を作って、その中間素材を使って完成品を作るというような場合は、さらに「作るのにかかったコスト」の計算は複雑になります。

現実の経営でも、工場で製品を生産するような場合は原価計算が必要になります。
原価計算をする目的は大きく2つあります。
1つは、当期の利益を正しく計算することです。
「でも、その期でかかった費用が分かれば原価計算は必要ないのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、期末在庫の分については、今期の費用になりませんので、今期作った製品にかかった費用を、今期売った分と在庫の分の原価に分ける必要があります。
そのため、原価計算をして、期末の在庫のたな卸し額を正しく計算し、今期の売上に係る製品の原価を算出することが必要になります。
このとき、「直接製品の製造にかかったわけではないが、複数の製品を製造するための工場で発生した費用」などについては、複数の製品に適切な方法で分配(配賦といいます)する必要があります。
そして、この原価計算がおろそかになっていると、税務申告で指摘を受ける場合もありますので、必要に応じて税理士さんの力を借りつつ適切に行うことが望ましいです。

もう1つは、製品1つあたりの原価を把握することです。
その製品をいくらで売るかは、その原価が分かってなければ決めることはできません。
先に売価が決まっているものもありますが、原価計算の結果、利益が出ていないようであれば、撤退するという選択肢も考えられます。
特に、材料費や人件費の変動によって原価が大きく変わることもありますので、そのような時に赤字で売り続けていたということにならないよう、正しく原価を把握しておく必要がありますね。

是非、原価を正しく把握して、ワクワク生産ライフを送りましょう♪

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