こんなに尽くしてるのに、見返りが少ない!「組織の均衡条件」 ワクワク経営コラム【第86回】

皆さま、こんにちは!
ワクワク経営ナビゲーターの古屋早雪です。

冒険者のパーティーは、何故一緒に行動しているのでしょうか?
絆で結ばれた仲間だからでしょうか?
そのようなパーティーは理想的ですが、そうではない場合もあります。
あなただったら、どんなパーティーなら参加したいと思いますか?

ひとつは、参加することでメリットのあるパーティーですよね。
一緒に行動することで、大きなお宝を手に入れて山分けする。
これがパーティーに参加していないと手に入らないものなら、参加する動機となります。

他には、参加していて楽しいということがありますね。
気の合う仲間や、お互い協力して大きな効果を生み出すことのできる仲間であれば、参加して楽しいと思えるでしょう。
また、パーティー自体に楽しいと思わせる仕掛けがあれば、それだけ参加したい動機は高まります。

そして、そのパーティーの考え方に共感する場合です。
個人個人、実現したい目的や理想を持っているので、同じ目的を持って活動しているパーティーであれば、その考え方に共感して、一緒に活動したいと思うのではないでしょうか。

これらはパーティーに参加する動機であり、組織の誘因と呼びます。
一方、通常、パーティーに参加することは何らかのパーティーへの貢献が求められます。
冒険パーティーであれば、戦闘や旅に役立つ能力を持ち、パーティーの冒険に「役に立つ」ことが求められます。
なお、直接的に何らかの役割を果たすだけではなく、例えばいるだけでパーティーの雰囲気が良くなるというのも立派な貢献です。
そして、この貢献に対し誘因が少ない場合は、人はパーティーから離れます。
これを組織の均衡条件といいます。
すごくパーティーに対して貢献しているのに、参加していてほとんど見返りやメリットがないとなれば、参加する気はなくなりますよね。

しかし人は、見返りがなくてもパーティーに貢献することがあります。
ここでの誘因は、直接の「見返り」だけではなく、その人がパーティーに参加して「楽しい」とか、役に立って「うれしい」という感情も含まれるためです。
一見何のメリットもないのに、組織に対して進んで役に立とうという人は、役に立つことで「うれしい」「やりがいがある」と感じる人だと言えます。
このような感じ方は人によって違いますが、全ての誘因を合わせたものが、その人が「貢献した」と感じた分を上回っていなければ、「参加する意味がない」と感じて去ってしまうのです。
これはパーティーメンバーだけではなく、パーティーに何らかの形で関わる人全てについて言えます。
村人がパーティーに情報をくれるのは、「話して楽しい」とか、「話すことで役に立ったという思い」のような誘因があるからです。
ですが、通常はパーティーに同行して道案内や戦闘の手助けをしてくれることはありません。
そういった行動は大きな貢献ですが、それに見合う誘因がないと考えられるからです。

会社の経営でも同じですね。
従業員は働いただけの「給料」や「やりがい」がなければ辞めてしまいます。
お客様は、払ったお金以上のベネフィットを感じられなければ、商品やサービスを買うことはないでしょう。
金融機関も、「この会社はちゃんと利子をつけて返してくれる」とか、「この企業を支援することが自分たちの目的に合致する」という誘因がなければ、貸し倒れのリスクを取ってお金を貸してはくれません。
したがって、関わる人々の貢献以上の「誘因」を感じてもらえる仕組みが必要です。

特に、目的や理想が共通するという「経営理念」は重要ですね。
この会社に関わることで、共通の目的を果たせるのであれば、積極的に組織に関わろうとするでしょう。
そして、何といっても「ワクワク感」です。
ワクワクする職場、ワクワクする未来を目指す企業であれば、勤めたい、関わりたいという大きな誘因になります。

是非、参加したくなる経営理念をつくるとともに、みんながワクワクする仕組みを整えて、大きな誘因で仲間を増やしましょう♪

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