『想い』と『技』を未来に残そう!「事業承継」 ワクワク経営コラム【第55回】

皆さま、こんにちは!
ワクワク経営ナビゲーターの古屋早雪です。

さて、以前のコラム「何故継続する必要があるのか?」でもお伝えしましたが、経営は終わりのない旅です。
しかし、自分の人生にはいつか終わりが来ます。
その時に備え、経営を次世代に引き継ぐことを考えておかなければいけません。
自分が倒れてからでは遅いのです。
突然に動けなくなったり、意思表示できなくなったりしてしまうということもあります。

ゲーム「ドラゴンクエスト」の世界観をベースに描かれた漫画「ダイの大冒険」では、先代勇者アバンが勇者の家庭教師として、次世代の勇者ダイを特訓するという場面があります。
これはいずれ来る悪の再来にそなえ、平和な世の実現という想いを次世代の勇者に託すため、ダイをはじめとする弟子「アバンの使徒」たちを育成し、その想いと戦闘技術を伝承したのです。
しかしながら、アバンはダイの特訓コースの途中で、復活した魔王との戦いに負け、帰らぬ人になってしまいます。
その後、ダイは仲間とともに大魔王討伐のために旅に出て、本物の勇者へと成長を遂げていくわけですが、現実ではそのようにうまくいく場合ばかりとは限りません。
もちろん、突然先代経営者が倒れ、後を継ぎ、立派に経営されている方もたくさんいます。
しかしながら、その中で失われてしまった技術やノウハウ、お客様との関係性がどれだけあったのかは分かりませんし、十分な準備ができていなかったために会社が継続できなかった例も多いと思われます。
したがって、承継の準備をするのは早いに越したことはないのです。
30代、40代であっても、将来会社引き継ぐその時のために、準備をしておくことが必要です。
では、どのような準備が必要なのか?
事業承継の失敗の大きな原因となるのが「後継者がいない」「後継者が会社のかじ取りをできない」「経営権承継上のトラブル」の3つです。
したがって、これらの問題に備えることが必要です。

第一に、「後継者がいない」という問題です。
これは会社を「誰に」引き継ぎたいかということによりますが、例えば自分の子どもに会社を引き継ぎたいが、子どもにその気がないというケースは多いです。
その理由にもいろいろ考えられますが、ひとつは「事業が魅力的でない」ということがあります。
継続的に利益が出せない、社内や社外の関係性に問題があり運営が大変、そもそも「ワクワク」しない事業である、などの原因で事業が魅力的でないとしたら、直接言わなくても「会社を継ぐつもりはない」と早くから意思表示されてしまう可能性があります。
そのほかの理由として、「他にやりたいことがある」「経営者にはなりたくない」などがあるかと思います。
子育てについてはここでは論じませんが、人にはいろいろな価値観があり、それは自分の子どもであっても例外ではないということです。
自分が子どもに会社を継いでほしいと思っても、子どもがそれを望まないかもしれません。
そうであれば、親の希望を無理に押し付けるのではなく、子どもの意思を尊重することも必要だと思います。
そういう場合も含め、子どもがいない場合、いても最初から継がせるつもりはない場合などは、子ども以外への承継ということも考えられます。
やはり多い例としては、長く会社で働いてくれた従業員(あるいは内部昇格役員)への承継ですね。
従業員であれば、自社の業務について良く知っていますし、関係性もできています。
しかしながら、この場合も「従業員側にその意思があるか」となると話は別です。
いざ承継の話をしても、「自分には無理」とか、「経営者にはなりたくない」となる可能性もあります。
したがって、早い段階から経営理念や未来ビジョンについてしっかり話をして、後継者候補の絞り込みをおこなうとともに承継に向けた「ワクワク感」を高めておくことが大切です。
そして、子どもへの承継の場合とも共通しますが、事業が魅力的でなければ会社を継ぎたいとは思いませんよね。
したがって、「ワクワクする経営理念」「安定して利益を出せる仕組み」「社内外の良好な関係性」などを整えておく必要があり、これらは事業承継とは関係なく必要なことですが、結果として事業承継時に最も大切なことになります。

2つ目の「後継者が会社のかじ取りをできない」という問題です。
従業員として優秀なことと、経営者として優秀なことは別です。
後継者に決まったら、早い段階から経営者として学びや経験を積み、理念や想い、ノウハウを伝えていくことが大切です。
また、自分の子どもが会社にいなかったのにいきなり経営者を継ぐとなれば、業務のことも良く知らない場合も多いと思いますのでなおさらです。
同業他社での経験があっても、自社の業務とは違う部分もあるでしょうし、他の従業員との関係性の問題もあります。
この場合も、できるだけ早いうちから自社業務およびマネジメントに携わり、経験を積んだほうが良いでしょう。
また、当然ながら後継者は現経営者とは別の人間であり、経営理念を継ぐとはいっても違った価値観を持った個人であることには変わりありません。
したがって、その後継者が会社を承継した時の事業の方向性、「承継後の事業計画」を、後継者を中心に作ることは重要なポイントとなります。(これは「事業承継計画」とは別のものです)
そして、自社の経営ノウハウや取引先との関係性で、現経営者「だけ」が持っている部分が多いという方も多いのではないでしょうか。
こういった「目に見えない資産」が失われてしまうことで、後継者の会社のかじ取りがうまくいかないケースが非常に多いです。
目に見える資産だけではなく、「目に見えない資産」をしっかり引き継ぐことが事業承継成功のカギとなります。

最後に、経営権承継上のトラブルです。
分かりやすく言うと、株式の移転ということになります。
相続税の問題については税理士さんにご相談いただくとして、それ以上に問題になりやすいのが「親族間のトラブル」です。
誰が継ぐのか、誰が株を持つのか、ということは後々の争いの火種になることもあるので、十分に話し合い納得を得ることが必要です。
さらに、もし株式や事業資産に大きな価値があるとして、それを後継者だけがすべて受け継ぐとなった場合、他の相続人にとっては不満が残りますよね。
とはいえ、株式を分けて相続するのは経営上のトラブルを生みやすいので、株式や事業資産は後継者に全て承継することが望ましいケースが多いです。
この問題を解決する方法はいくつかあり、そのための法制度などもありますが、一番良いのは後継者が株を買い取ることです。
この方法であれば、株式や事業資産における相続上の問題はありません。
しかし、後継者に株式を買い取る資金がないこともありますので、早い段階から積み立てておく、借入も検討するなどの準備が必要になるかもしれません。

あなたのワクワクする事業を未来に引き継ぐため、早い段階から準備を進めましょう(^-^)

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